Hump Backは、もはやパンクス。
3人組ガールズバンド、というと何を思い浮かべるでしょうか?
2000年代に青春を過ごした筆者にとって、3人組ガールズバンドといえば『チャットモンチー』が思い浮かびます。
その後、劣化版チャットモンチーともいうべきバンドたちが、アマ・プロ問わず生み出されては消えていきました。
Hump Backも同様の流れを組むバンドなのかと思いきや、良い意味で大きく期待を裏切ることとなります。誰の?俺の。
ということで、Hump back特集いきまーす。
それでは、レッゴー!
Hump Backのメンバーさんたち
- Vo&Gt.林 萌々子(はやし ももこ)
- Ba&Cho.ぴか
- Dr&Cho.美咲
活動開始は、2009年。
唯一のオリジナルメンバーである『林 萌々子』が一貫して使用してきたバンド名のようです。
Hump Back『月まで』
Hump Back - 月まで (Official Music Video) - YouTube
筆者が初めてHump Backに触れたのは、2016年に発売されたミニアルバム『夜になったら』の収録曲『月まで』。
Aメロともサビともつかない、しかしキャッチーなメロディーが続きます。
時間にして実に2分。ビートこそ遅めですが、息づきさせない性急な展開は、もはやパンクソング。
言いたいことだけ言って去っていくスタイルです。
君はどうだい?
月くらいなら迎えに行ったのに作詞:林 萌々子 作曲:林 萌々子
遠い遠い、そりゃもう遠い月にも関わらず、たったその『くらい』と表現しているところから君への想いが溢れているとは思わないでしょうか?
一聴すると、チャットモンチーVo.えっちゃんのような声質を持つ林 萌々子ですが、高音部分がせつなく感じます。エモい。
名刺がわりには十分な一曲です。
- アーティスト: Hump Back
- 出版社/メーカー: WELL BUCKET RECORDS
- 発売日: 2016/12/07
- メディア: CD
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Hump Back『星丘公園』
Hump Back-星丘公園 Music Video - YouTube
自らに高いハードルを作ったHump Backでしたが、2017年の発売のミニアルバム『hanamuke』に収録された、この1曲でそのハードルを軽く越えていきました。
君が泣いた夜に
ロックンロールが死んでしまった
僕は飛べない
作詞:林 萌々子 作曲:林 萌々子
冒頭から心をわしづかみにする歌詞、そしてぐっどメロディー。
せつなさとキャッチーさが同居しています。やっぱりエモい。
青春時代にこんな一曲を聴いたものなら、一生ものになること間違いなしです。
冒頭のギターフレーズには、オクターブ奏法が用いられています。
筆者は、こういったオクターブ奏法にすこぶる弱く、無条件でせつなくなってしまうんです。
良いオクターブ奏法のフレーズがあれば、それだけで名曲認定にございます。
ちなみにオクターブ奏法とは、低い音と1オクターブ上の音を同時に弾く奏法のことです。(ドと1オクターブ高いドみたいな)
まーそのままである。
話はそれましたが、とにかく『星丘公園』は名曲、夜にこそ聴いていただきたい一曲です。
Hump Back『拝啓、少年よ』
Hump Back - 「拝啓、少年よ」Music Video - YouTube
2018年メジャーデビューを果たしたHump Backは、さらに進化を果たします。
これまで抽象的な歌詞が多かった彼女たちでしたが、今作ではどストレート。
夢はもう見ないのかい?
明日が怖いのかい?
諦めはついたかい?
馬鹿みたいに空が綺麗だぜ
作詞:林 萌々子 作曲:林 萌々子
冒頭からこんなことを言われた日には、涙腺崩壊必死です。
さらに磨きをかけられた、ぐっどメロディー。
突き抜けるサビは、思わず5歳の息子も口ずさみます。
言いたいことだけ言って去る、3分間のパンクロックが美しく映ります。
大人も子供も背中を押される人生の応援歌にございます。
思想がパンクス
3人組ガールズバンド、というと普通は女の子らしく、かわいいというのが定石ですが、Hump Backは違います。
「ロックに手拍子はいらない」「ロックを演るために、すべてを捧げてきた」
なんと熱い。
そもそも、このバンド名の由来が漢にございます。
動物の名前を入れたかったVo.林 萌々子でしたが、「catとかだといかにもガールズバンドぽくて、きしょい」と考え、「猫背」を意味するこの名前にしたそうです。
なぜ猫背なのだ。
※Hump Back Whaleでザトウクジラ、という意味もあるので、たぶんこっちが正解かと思われます。
でも、猫背の方がなんかしっくりきますよね。
演奏スタイルも、ピックをギターに叩きつけ、コードをじゃんじゃかとかき鳴らす。
まさにパンクスです。
ドラマー的には?
ドラミングは、至ってシンプル。
特に目立ったパターンやフィルもないので、若干の物足りなさを感じたこともありましたが、むしろこれぐらいの方がHump Backのぐっどメロディーを活かす、というような気がしてきました。
ビートからは非常にやわらかい印象を受けるので、本人もやわらかい方なのでしょう。たぶん。
難しいことはしておらず、テンポも速くないものが多いので、初心者ドラマーにもおすすめです。
はげしさとせつなさの間で
ライブはソールドアウト、フェスにも多数出演とノリに乗っている彼女たち。
これから、どんなぐっどメロディーを聴かせてくれるのでしょうか?